【解説】盛り土撤去の行政代執行 これまでの流れは?15億円ほどに膨らむ可能性のある撤去費用は?「私たちが払うことはありません」と前土地所有者
<影島亜美キャスター> 10月11日、静岡県が開始した行政代執行。ここに至るまでの流れを整理します。 2021年7月3日に発生し、27人が亡くなった熱海土石流災害ですが、ほどなくして崩れたのは違法な盛り土だったとして、土地所有者の責任論が浮上します。 1年後の2022年7月1日、静岡県が違法な盛り土を規制するための条例を施行。その1か月後に、盛り土を造成したとされる前所有者に対して、残った盛り土の撤去を求める「措置命令」を出しますが、着手期限までに前所有者が応じる事はなく、再三の県からの要請にも回答はありませんでした。 そして10月11日、県が代わりに土砂を撤去する行政代執行に至ったわけです。 <井手春希キャスター> 代執行は県が行うものなので一旦、税金が投じられますよね? <影島亜美キャスター> そうです。土砂の撤去などにかかる費用は、いま分かっているだけでも4億円。最終的に15億円ほどに膨らむ可能性もあり、この費用は一度、県が建て替え、前土地所有者である「新幹線ビルディング」に全額請求します。巨額の請求が届く見込みの「新幹線ビルディング」天野二三男代表が11日、SBSの取材に答えました。 <新幹線ビルディング 天野二三男代表> Q.払うつもりはある? 「現段階において私たちが払うことはないです。ありません。論拠が成立しない。私たちは行為者ではない。許可申請者ですよ。許可を取得した会社です。行為者というのであれば対象が違う」 <影島亜美キャスター> 「土地を所有していただけで、実際に盛り土をしたのは別の業者」という持論を改めて展開。天野代表は、2022年7月に施行された条例が時間をさかのぼって適用されることは憲法違反だ、などとして措置命令を取り消すよう9月に静岡地方裁判所に提訴していて、裁判の第1回期日が11月18日になったことも明かしました。 <新幹線ビルディング 天野二三男代表> 「被災された方に対する思いは、お気の毒だという思いは感じます。だけれども原因たるものがわからないのに、私にどう思ってますかと言われても今のコメントくらいしかだせない」 #LIVEしずおか 10月11日放送